新潟と平成とプロレスと他・・・

平成に生まれ、新潟は長岡、上越妙高地域からプロレスを中心に日常と記録を。

新日本プロレスくじ上越事件簿 2020年編 中編

まず最初に・・・この出来事は実際にあった所謂「実話」ですが、あくまでこういう出来事があったという「記録」としてブログに書いています。登場人物の行動を非難しているものではないのでご了承ください。

ノンフィクションの小説風に書いております。よければ最後までお付き合いください。
不定期更新)

※2020年編は構成の都合上、前、中、後編の3部作に変更しました。

 

前回からの続き。

作戦を立て、あとは発売日を待つのみ。

そんな中、とある出来事に遭遇した。

発売日の数日前、上越市内のショッピングモールでの出来事。

買い物をしていたら遠くの方に見覚えのあるTシャツを着た髪型がヴィジュアル系っぽい大柄な男性を目撃。

そのTシャツとは新日本プロレス ロスインゴのTシャツ。

遠くの方でもよく分かった。

上越市内で買い物してると度々プロレスグッズを身に着けている人は見るものの、珍しいなぁとその時は思った。

 

その目撃した光景をなんとなく頭に残しつつ、いよいよ発売日当日。

 

まずは作戦通りローソンT店へ。時刻は午前8時30分頃。

店内はお客さん0人の状態。これはチャンス。

まずは店内にくじが置かれているかチェック。ない。

もしかして、もう・・・ なんとなく昨年のイヤな出来事が頭をよぎる。

今回は昨年の反省を生かし、すぐに店員に聞こうと決めていた。

店内にはおばちゃんの店員しかいない。お客さんは0人。聞くのなら今だ。

そう決めた次の瞬間。

1人お客さんが入ってきた。

そのお客さんの方を見ると心臓が急にバクバクしてきた。

それは何故か?

知らない人のはずなのに見覚えのある人間だったからだ。

そう、数日前ショッピングモールで目撃したロスインゴTシャツを着た人物。

その日は作業着を着ていたが髪型がビジュアル系で大柄。

まさにその人だった。

その人物は店内を少し見回るとそのおばちゃん店員のもとに向かい、なにやら会話をしていた。

「絶対この人もくじ目当てだ」

そう確信した俺はその会話に聞き耳を立てていた。すると・・・

「新日本の・・・」 こう聞こえた。

「やっぱりな」 くじのことを聞いているのは間違いない。

こっちだってくじ目当てでこのローソンに来ているのだ。

とすれば方法はひとつ。

その会話に割って入ることにした。

自分「もしかしてプロレスくじ買いにきたんですか?」

謎の人物「はい。全部買うことになってるんです。」

一瞬意味が分からなかったが、すぐに理解することになる。

この人物曰く、電話であらかじめ全部買うから取っておいてほしいとお願いしていたとのこと。

俺はすぐさま質問をした。

「もしかして去年も同じことしましたよね?」

謎の人物「はい」

この人物が犯人なのが確定した瞬間だった。

不思議と怒りはなかった。ただただ驚いた。

その後も少し会話したが何を話したかは覚えていない。

ただプロレス好きということは伝わってきた。

ただの転売屋ではなさそうだ。

 

そうこうしているうちにレジの奥からダンボールが出てきた。

新日本プロレスくじの景品が全て入っているダンボールだ。

その人物は会計を済ます。価格は4万円越え。

会計を済ますとその人物は意外なことを言ってきた。

「よかったら中身見ます?」

思いもよらない言葉だった。すぐに「はい」と返事をした。

 

ローソンの駐車場に出るとその人物は車のそばでダンボール箱を開けて中身を見せてくれた。

店内用の箱やPOPなども入っていた。

「なるほど、こういう風になってるんですね~」

そんな会話をしたのは覚えている。

 

そろそろ次に向かうゲオの開店の時間だ。

「じゃあ自分はゲオで買います」

そう言って別れた。

今思えば名前だけでも聞いておけばよかったのかもしれない。

 

この人物に会ったのはこれが最後。

箱の中を見せてくれたのは最低限の申し訳ない気持ちがあったのかもしれない。

物腰の柔らかい感じの人だったが何故くじを全て買うのだろうか?

よほどのマニアなのか?誰かに頼まれたからなのか?

未だに分からないままである。

 

まさか電話で取り置きしてもらっていたとは。

これで昨年2019年の謎も解けた。

コンビニによって対応が違うのだろうが、こういうことはやめてもらいたい。

やっぱりくじなんだからその場でお金を出して引くのが筋であろう。

 

とりあえずモヤモヤが少し晴れた俺はゲオT店へ向かった。

 

中編はここまで。


次回「悔しさと欲」の2020年編 後編。